第47話

それから涼子さんは


「貴方のことは知りません!!水族館にも行きません!!」


とキッパリ断ったのだと言う。


そしてその場を逃げるように離れたのだと。



暫くその男はそこに留まっていたけれど、涼子さんが出て来ないとわかり店を後にしたらしい。


が。



「恥ずかしがらないでいいのに。1週間後の午前八時ココで待ち合わせね」



そう叫んで。



もう……ね、みんな絶句。


言葉にならない。



「警察にも行きました。でも……現状では何もできない、と。コンビニ周辺と私が住んでるアパートの見回りを当面強化するぐらいしか出来ないと言われました」



警察は事件が起きてから動く……が殆どだ。



それを言われた時の涼子さんの絶望はどれ程のものだったか。



「そうしたら常連さんのおばあちゃんが“ココ”を教えてくれたんです。行ってみなって。きっとアンタを助けてくれるからって」



どこのおばあちゃんだ。



グッジョブ。



あたし達はこの町内のお助け屋みたいなことをしている。



うちのお祖母ちゃんが困っている人の話しを聞いてあげて、あたし達が解決するという。



まっ、この四人が出来る解決法なんてほぼ力技で片付くものばかりだけど。



お祖母ちゃんに聞くまでもない。



これはあたし達の出番だ。



風磨・雷斗・地佳を見ると三人とも頷いた。



“受けろ”と。



そして



「本当に、アンタ達の出番だね」



「お祖母ちゃん」



お祖母ちゃんが帰って来た。



てか、いつから聞いてたんだ?



「あの……」



戸惑う涼子さんに



「涼子さん。ソイツをボッコボコにしてもう二度と涼子さんに近付けないようにしてやりますよ、あたし達が」



涼子さんの目をしっかり見て、キッパリとかなり具体的に解決方法を話した。



ボッコボコにしてやりますよ。


マジでボッコボコに。


女の子を恐怖させる男なんて。

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