第41話

聞いたことのない女の人の声。



キュピーンッと地佳の瞳が光った。



そして



「はーいっ」



なんて返事をして玄関にダッシュ。



奴は女の人が大好きだから。



でも



「良い人止まりなんだよな」



「ヘタレだからな」



「顔は良いのにな」



「「え??」」



あたしの言葉に首を傾げる風磨と雷斗と共に自分達も玄関へ。



十中八九、お祖母ちゃんのお客様だ。



何故かお祖母ちゃんは人によく相談をされる。



それはお祖母ちゃんが聞き上手で、的確な答えをくれるから……だと思っている。



凄いのだ、うちのお祖母ちゃんは。



町内の人達も何かあると一番に、お祖母ちゃんに話に来る。



そして……話の内容によってはあたし達が駆り出されるという。



……拒否権はない。



お祖母ちゃん、凄いから。



「厄介事か……」



「厄介事だな」



「厄介事だ」



「どうぞ、どうぞ入って」



スリッパを出し、家の中に招き入れようとする地佳。



誰の家だと思っているのか、アイツは。



お祖母ちゃんも居ないのに勝手に話しを進めるな。



スパーンッ!!



「痛いっ」



雷斗が地佳の頭を叩き、ガッチリ首をホールドし廊下を引き摺って奥へと戻っていく。



「ちょっ、雷斗!!俺っ俺はっお姉さーんっ!!」



絶叫した地佳は来客者に手を伸ばす。



なんでお前が助けを求める側になってるんだ。



ヤレヤレと二人を見送り、風磨と二人で来客者の元へ。



困惑している来客者はやはり女の人で、ふっくらとしたホワホワという言葉が似合う可愛らしい女の人だった。



「奴のこと気になさらず、何かうちに御用ですか?」



やはり見たことはない女の人に、あたしは愛想笑いを浮かべ聞いた。



って、風磨。



止めて、なんか背後霊みたいに無言で後ろに立つの。

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