第40話
ついに来た……!!
あたしの出番だ!!
「「「腹減ったー」」」
掃除を頑張っていた三人がそれぞれの場所からキッチンに集まってきた。
風磨はお風呂から。
地佳は外から。
雷斗は2階から。
そしてあたしは
「よしきた!!任セロリ!!」
「「「ゲッ!?」」」
準備万端のあたしを見て、三人は嫌な顔をする。
「ゲッてなんだ。ゲッて」
「……そこで何をしている?海」
「何が任セロリだ、バカセロリ」
「それはセロリに失礼だよ、雷斗」
セロリに失礼って、なんだ地佳。
「すまん、セロリ」
真剣な表情で謝るなや、雷斗。
「昼飯を作るぞ」
「「「止めろ」」」
意気揚々のあたしに対し、真っ青で止めに入る三人。
「ばあちゃんはどうした!?」
「井戸端会議」
「地佳、呼んで来い」
「任セロリ」
「セロリに失礼とか言っといて気に入ってんじゃん。てか大丈夫だから、今日はナポリタンだから、習ったからちゃんと」
「「「……」」」
疑惑の視線が向けられる。
「お祖母ちゃん直伝、ナポリタン。任セロリ」
「「「……」」」
料理が出来ないと言うわけではない。
下手と言うわけでもない。
面倒だから適当に味付けをするだけ。
美味しく出来るときもあれば、異様にマズいときもあるという。
あたしの料理は誰が名付けたか、イチかバチか料理と呼ばれている。
ちなみに三対七の確率で、マズいものが多いという……
料理は好きなんだけど。
「作れるのか?」
凄い真剣な表情で風磨が聞いてくる。
そんなにシリアスにならんでも。
「作れる」
「美味いのか?」
まだまだ嫌そうな雷斗。
「美味い」
「手伝おうか?」
地佳!!
「うん」
「「「素直」」」
頷いたあたしにケタケタ笑う三人。
「よし、やるか」
風磨の言葉に
「「「おーっ」」」
ナポリタンを作るべく動き出したあたし達だったが
「あの……、すみませーん」
玄関からお呼びが掛かった。
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