第35話
呻いた海が
「痛いんじゃーっ!!」
そう叫び……
森高の背中に飛び乗った。
「なんで俺なんだよっ。風磨にいけやっ」
「嫌がらせ」
「こんにゃろうが」
「俺っ、救急箱取ってくる!!」
ダッと走り出す音無。
救急箱!?
やっぱり怪我してんじゃねぇかっ。
それをこの三人は海の少しの動きで察知したというのか。
「公園に居る」
「了解!!」
火野は音無にそれだけ言うと公園へと歩き出す。
「ハァーー……」
デッカい溜め息をつきながらも、海を背負ったまま火野の後を追う森高。
「……代わってやろうか?」
心底嫌そうな森高にそう言えば
「あ?」
「え?」
何故か海も反応して
「「無理」」
見事にハモられた。
無理ってなんだよ。
無理って……
四人と俺との間に高い高い壁を感じた。
「で?何をやったんだ、お前は」
「泥棒達の乗った自転車を止めるべく前輪を蹴り上げたった」
「カッ!!バカだろ」
「天才ですけど?」
「天才はもっといい方法を考えるもんだ」
「グハッ!!」
「バーカ」
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