第29話

さて、大問題勃発だ。


































この子の親は何処だ??



辺りを見回すもあたし達以外は誰も居ない。



そして十年以上この公園に通っているスーパー常連……?なあたし達だが、この子は一度も見たことがない。



どちら様??



今、風磨・地佳・赤宮彩葉が周辺で親が居ないか捜してくれている。



え?


雷斗はって?



雷斗は……



ようやく焼けた焼き芋を美味しそうに食べている。


自分の横に座っている子供に「まだいるのか、この食いしん坊が」なんて言いながら分けてあげている。



ちなみにあたしもいると言えば、無言で親指を上から下へ向けられた。



なんて奴だ。



しっかし普通、自分の子供が側から居なくなったら捜すものじゃないの?


必死に捜すものじゃないの?



いや……両親に嫌われ、育てられていないあたしが言うのもなんだが。



でもあたしが居なくなったら、必ずコイツらが捜してくれたしな。



あたしは雷斗を見る。



ハッ。



「……お母さん??」



「眼科へ行け、ボケェ」



ものっすごい嫌そうな顔でそう言われた。



「お前が行け」



「アホか。なんでだ。俺の目は両方とも2.5だ」




2.5!?



2.5って言った?



「サバンナへ帰れ」



「日本生まれの日本育ちなんだよ、馬鹿が」



知っている……が。



「サバンナが合ってる」



「ふざけんな」



睨み合っていると、三人が帰ってきた。



けれど……



「「「いない」」」




誰も子供を捜してる、それらしい親は見つけられなかったらしい。



さて、どうしたものか……。

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