第28話

男共の視線が突き刺さる突き刺さる。



視線がウゼェ。



男のコはパーをしたままの自分の手をジッと見つめ…

ウルウルと瞳が潤み出す。



慌てるヤンキーズ。



「泣くな、坊主」



「男がそれぐらいで泣くんじゃねぇ」



「もう少しっ、もう少ししたら新しいのが出来るからっ」



「酷いな、あの姉ちゃん」



味方が一人もいない。


可哀相なあたし。


あたしも泣くぞ?



いや……ないな。



セルフツッコミ後、あたしは男のコの前へ。



「言ったろ?所詮この世は弱肉強食。だから負けたアンタには」




フンッと焼き芋を半分に折った。



甘い匂いが立ち昇ってきて、男のコが潤んだ瞳を輝かせる。



「半分だけな」



そう言って半分を渡す。



赤宮彩葉とのやり取りで少々冷めてしまっているので、子供でも持てる熱さだ。



でも中は熱々だから。



「熱いから気をつけて食べな」



私の言葉にコクンと頷く男のコ。



お腹が空いていたのか、すぐにでも食べようとするけれど



「こら坊主」



ワシッと男のコの頭を風磨が鷲掴み



「焼き芋をくれた姉ちゃんに言うことがあるんじゃないのか?」



そう聞く。



ハッとした男のコは



「ありがとう!!」



パッと笑顔になって、お礼を言ってきた。



「どういたしまして」



地佳が男のコを抱えてベンチに座らせる。



あたしの心をわかってくれたのか、あたしと赤宮彩葉との間に。



GJだ、地佳。



「いただきます!!」



「いただきます」



ちゃんと挨拶をして、あたし達は焼き芋にかぶりついた。



「おいしい!!」



「うまー」



この芋、美味い



「俺も食いてぇ!!」




ジッと焚き火を見ていた雷斗が吠える。



知らんがな。

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