第17話

燕尾高校の奴らは……


何故か、校庭のド真ん中に居た。



数十人、だろうか。




「うわぁああああああ……」



「おい、心の呻きがダダ漏れてんぞ」



「おおっと、すまねぇ」




風磨に言われ、お口にチャックをする。



しかし心の呻きがダダ漏れでも仕方がないのではないか?



だって、雑魚感が半端ない。



多分、真ん中で仁王立ちしているアイツがリーダーなんだろうけど……。



もう仁王立ちでニヤニヤ笑っている時点で、雑魚感が半端ない。



唐突に失せるヤル気。




「帰ってもいい?」



「あ?」




ビックリする赤宮彩葉。




「ダメ」




許してくれない地佳。




「俺以外は全員雑魚なんだから、今更気にするんじゃねぇよ」




ふざけたことを吐かす雷斗。




「中二病発言、おつ」



「誰が中二病だ、ゴルァ……」



「じ……自覚がないだと?ただのヤバい人……」



「上等だ」



「ククッ。ヤる?」



「泣いても知らねぇぞ……?」



「雷斗がな」




キス出来そうな距離で睨み合う。



一触即発。




「いつもこんな感じなのか?」



「うん」




赤宮彩葉に聞かれた地佳が即答する。




「オイオイ、味方同士でヤんのか?」



「うるせぇ、雑魚」



「しゃしゃり出てくんな、雑魚」



「「殺んぞ??」」



「っっ」




意地の悪気な声で話しかけてきたリーダーを即座に黙らせる。




「よく喧嘩もするけど、一番息が合ってんだよね。あの二人」




笑って赤宮彩葉に言う地佳に




「「合ってない」」




雷斗と同時に答えると




「ね?」




なんてドヤ顔をされる。



なんでアンタがドヤるのさ。

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