第16話

涼しい表情をしているつもりだろうけど、めっちゃ汗をかいて息を切らしている赤宮彩葉。



それはそうだろう、チャリに付いてこれるってどんだけ。



それだけで身体能力の高さが伺えて、風磨達がライバルだというのも頷ける。



しかし、なんで来てるの?コイツ。


別に来る必要はないよね?



チャリを校門のところに停めて赤宮彩葉を見ていると、目があった。



ので




「どんまい」




声をかけてみた。


すると




「あ……?」



「なんで、どんまい?」




赤宮彩葉には不機嫌に返され、地佳に聞かれる。




「なんとなく」




それしか出てこなかった、と言うと




「ハァ〜」




デッカい溜め息をつかれた。



なんでだ。



そして風磨と雷斗に至っては何も言わず校庭へ。



あたしはキャップを深く被り直す。



さてさて……
























暴れますか




「覚悟しやがれ、サンタ高校」



「燕尾高校な」




地佳にツッコまれる。




「「「……」」」




わぁー、赤宮彩葉に“コイツ、バカ?”みたいな目で見られるんですけど〜。




「早く来い、バカ」




わぁー、雷斗に普通にバカって言われたんですけど〜。




「バカじゃないです〜。むしろ天才です〜」



「もうその発言がバカ丸出しだぞ」



「バカ丸出しときたもんだ」




風磨にまで言われる。



この怒りはサンタ高校にぶつけるしかないよね。




「だから、燕尾だ……痛いっ」




とりあえず、先に地佳にぶつけとく。

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