第13話

海side



「デカッ」




ヤンキーズと残っていた掃除も終えて。



なんだかんだと赤宮彩葉にも手伝ってもらい、今は段ボール箱に入っている芋をアルミホイルに包み中だ。



みんな、手慣れているから可笑しい。



ヤンキーが黙々と芋をアルミホイルに包むって。



この中でただ一人そんなことをしたことがないのだろう、赤宮彩葉がもたついているが。



そこは面倒見の良い風磨が教えてあげている。



そんな中、何も見ずに取ったあたしの手には巨大な芋が。



雷斗の顔くらいあるか……。




「ふざけるな、俺は小顔だ」



「真顔で、自分で言うことか」



「お前より小さい」



「ふざけるな」



「もー、いがみ合ってないで早くしてよ。俺、お腹空いて……あ、それ美代子のオマケじゃん」




お腹を空かせた地佳が頬を膨らませながら言う。



いやいや、朝ごはんしっかり食べただろ。



しかし美代子がこれを……。



美代子とは、スーパーの店長(年齢不詳)である。



豪快なおばちゃんで、あたし達をよく扱き使うのだがその分こうやってオマケやらを付けてくれるのだ。



おばちゃんにオマケを貰って喜ぶヤンキーって。



美代子、ありがとう。




「あたしのだろうな?」



「なんでだよ」



「俺が貰ったんだから俺のだよっ」



「「あーー??」」



「芋ぐらいで……」



「バカ野郎っ」



「「「あーーー???」」」




赤宮彩葉が呆れた声で一言を放ち、風磨が止めに入るも……




聞こえたもんね。



聞こえちゃったもんね。
























「「「ブッ殺」」」




我らを怒らせるとは……




「火野さっっっん!!」



「「「「「!!??」」」」」




公園に人が入ってきた。



やけに慌てた様子のソイツは




「「「「池崎」」」」





あたし達の通う高校の後輩(男)、池崎だった。

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