第9話
「コイツは
風磨の言葉に、ほんの少しだけ頭を下げてくる赤宮彩葉。
それをまるっと無視して
「可色高校って……アンタ達が目の敵にする?」
「バカか海。目の敵じゃねぇ、ライバルだ」
真剣な表情の風磨。
ライバルねぇ……。
「ライバルってことは、力はほぼ同等ってこと?」
「バカか海。俺達の方が強いに決まってんだろうが」
これまた真剣な表情の雷斗。
いや、なんで最初に必ずバカをつける。
「バカなの、海。……バカ」
地佳に至ってはただの悪口じゃないか。
「痛い痛い痛い痛い痛いっっ」
あたしは地佳の頬を摘むと、全力で伸ばす。
その際、捻るのも忘れない。
「お前……その顔」
「「「顔??」」」
赤宮彩葉の呟きに、ヤンキーズが反応する。
ハァ……。
「咲坂紫が可色高校に居るんだと」
「「「……」」」
風磨、雷斗、地佳の眉間にシワが寄る。
厳しい表情。
そして
「「「誰???」」」
そう言った。
だよねー。
あたしだって忘れてたぐらいだもの。
コイツらが覚えてるわけないよねー。
右に首を同時に傾げた三人に、あたしはウンウンと頷いた。
「オイ、俺の質問への答えは」
ヤレヤレ、気の短い男はモテないぞ。
まぁ、気のきかない男もモテないけど。
「え?なに?なんでこっちを見てるのさ?」
「咲坂紫は」
「え?無視?」
「うるさいよ、地佳」
「うるさいぞ、地佳」
「黙れ」
「酷い!!」
ヨヨヨと泣き崩れる地佳は無視して。
「あたしの双子の姉だ」
「は……?」
「「「えっ!?」」」
赤宮彩葉より、幼馴染み達の方がナイスリアクションだった。
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