第89話
「とにかく、俺は如月真白っていう女に心底惚れて惚れて、真白を俺の一生を懸けて愛すって事だけは確かだ。」
頬に落ちた剣の触れるだけの口付けが、じわりと微熱を肌に残す。
「それで十分だろ。」
「私以外愛したりしたら処刑すっから。」
「おっかねぇな。お前ならマジでやりそうだ。」
「夢月と飛鳥に慰めてもらう。」
「あ?俺以外の男の名前を出すな!」
「小さっ!!!!」
「うるせぇ。嫌なもんは嫌なんだよ。」
この男くらい、素直になれたらな…なんて事を時々思う。
そしたらもうちょっと、少女漫画に出てくるヒロインみたいに愛らしくなれたりするんだろうなって。
「俺達は俺達らしく歩めばいいんだよ。」
「……。」
「まぁ、正直に言うと俺は今この瞬間も猛烈に真白とセックスしたい。」
「直球過ぎだろ。」
今日一番の真剣な顔で何て事言ってんだオメェ。
「でも我慢する。」
「何で?」
「手繋いでデートする。それからだって、真白が言ったんだろうが。」
え?
あれ、本気で考えてくれてたの?
あんなに不純異性交遊ばかりしてたこの男が、私の我儘に応えようとしてくれてるの?
眉間に皺を寄せて「だからさっさとデートするぞ」と付け加える剣は、スマホを取り出して『デートスポット おすすめ』でググってる。
いやデートプランは自分で考えろよ。
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