第61話

衝撃的な事実の発覚に、唖然が止まらない。



それは私以外の生徒会メンバーも同じらしく、それぞれ困惑を顔に滲ませていた。





「あら?真白、私が学園祭の時にも言ったじゃない。剣は品行方正だって。この男、家柄も良いし頭も良いのよ?」




“中学の全国模試も1位だったもの”



刺繍の手を止めて微笑んでくる宵がトドメの一言を私にぶん投げた。



嘘嘘嘘嘘嘘!!!私全国模試の2位でハンカチ噛み締めて1位の奴呪ってたのにこんな近くにいたよ、しかも恋人になっちゃってるよ!!!!



ていうかあの時の「品行方正」ってそういう意味だったの?



分かるわけなくねぇ?ちゃんと説明しろよ。


今更学園祭の時の伏線回収すんなよ。





「真白…俺、テストいつも10番以内、偉い?」



こてん。



そんな効果音が出そうな首の傾げ方をする飛鳥もとてもとても好き。





「うん、凄いよ。偉いよ。」


「じゃあ褒めて。頭、撫でて。」


「へ?」




私の掌に自らの頭を擦り寄せて頬を緩める相手に、私の心は500000億万のダメージを受けた。



この人は破壊神か何かか???




「うわ、何あいつあざとい。」


「へぇ、僕と似て顔が可愛いからどう消し去ろうかと考えてたけど、良い性格してんじゃん気が合いそう。」




飛鳥に冷徹な視線を送るりー君の肩に、BL本を閉じて手を置く道梨に不安と恐怖しか感じない。



やめろ、お前の性格は私と同じくらい悪いんだからりー君と一緒にするな。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る