第55話
「少し静粛にして貰えるかな?」
騒がしさを抹消したのは、部屋に通った夢月の一声だった。
会長席に鎮座している彼は、こんな野蛮な山賊の奇襲みたいな状況下でも顔色一つ変えずに微笑んでいる。
これはProbablyで思ってる事なんだけど、あの人前世イエス・キリストだわ。
「相変わらずチョコミントみてぇな笑顔してんな。」
チョコ必要だったか?
独特な形容で夢月を雑に扱う剣を軽く睨めば、投げキッスされた。気持ち悪。
「開花高校と花咲学園の接触禁止令を、まさか君達忘れてないよね?」
手を組んでその上に顎を乗せた王子が、軽く首を横に倒して不敵に笑う。
そうだ。そうだよ、思い切り校則破ってるじゃんこの人間共。
「はっ、当たり前覚えてるに決まってんだろ。クソみてぇな校則なんだからな。」
「それじゃあ鬼帝君、どうして君は今花咲学園の生徒会室にいるのかな?」
残念だけど、夢月も分かるようにこの人馬鹿なの。
だから多分校則の意味すら理解してないんだと思うの。
「馬鹿かお前。」
馬鹿はお前だよ!!!!!
鼻で笑い飛ばした剣は、やけに自信を滾らせた表情を浮かべている。
「今は夏休みだぞ。その校則はタイム期間に決まってんだろ。」
勝手に決めんな。
そんな制度いつから導入されたのよ、生徒指導の先生早くこの人を連行しに来てくださいお願いします。
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