第46話

だけど、住んでる距離が距離なだけに。



幼稚園に入園して以来、りー君と会う回数はめっきり減ってしまった。




もっと真白といたいって宝石みたいに輝く涙を落として泣きじゃくるりー君に、私の母雪乃ゆきのがある提案をした。



それが『夏休みの間だけりー君が我が家にホームステイをする』という物だったのだ。





それ以来、りー君は夏休みになると決まって私の家を尋ねてくるようになった。




そんなりー君。私の前では良い子で甘えたでとっても可愛らしいのに…なんて事でしょう、昔から夢月には敵意丸出しなのです。



私とい過ぎたせい?


それとも猫被る癖って如月家の遺伝か?





「莉苑君、君だって一昨日会って分かったでしょう?彼は常識が微塵も通用する相手じゃないんだ。だからこそ俺も困っているんだよ。」




素晴らしい笑顔だけど夢月はここにいない剣に猛毒を吐き散らしている。





「言い訳なんてダサいよ。夢月がいつまでも王子様気取ってぼーっとしてるから野生の猿に負けたんでしょ。その事実には変わりないじゃん。」


「あはは、言ってくれるね。莉苑君もそのうち分かるよ。」





笑い声を上げているけれど、目が一切笑っていない夢月の横で鈴が吃驚している。





「え…莉苑君、もう鬼帝君に会ったの?」





彼の口から零れた疑問に、私が頷いて応えた。

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