第42話

ソファに腰掛けて膝の上にノートパソコンを広げている彼…宮園 鈴みやぞの りんは、私の隣に視線を向けている。



相手につられるようにして私も自分の横を見れば、どう頑張っても美少女にしか見えないりー君が私の腕に絡みついていた。




可愛い!!!!5000点満点あげちゃう!!!!





「ていうか真白から離れれば?莉苑に捕まれたままじゃ真白仕事できないじゃん。」





鈴と全く同じ顔を不満そうに歪めた宮園 蘭みやぞの らんは、動かしていた手を止めてりー君を睨みつけた。



……その前におい。珍しくちゃんと仕事してくれていると思いきや何だその「同性愛とは」というメモ書きは。



道梨か!?!?!?やっぱり道梨が好きなの!?!?!?




意味深でしかない蘭の手元のメモから目が離せない。





辞めといた方がいいよ、絶対に辞めといた方が良い。だって道梨めちゃくちゃ可愛いけどめちゃくちゃ性格悪いよ?



私とほぼ互角よ???





「うっさい。夢月に聞いたけどあんたも真白と同じ書記なんでしょ、それならあんたが仕事してよ。真白は僕と遊ぶの。」





頬を膨らませたりー君は、スカートから伸びる綺麗な細長い脚を組んであからさまに蘭から顔を逸らした。



私もサボってないで貴様も仕事しろとは思ってたけど、どうやら彼は非情にデリケートな問題に直面しているっぽいからもう何も言えない。





「ね、真白。真白は僕と遊ぶよね?」




首を傾げながら私を見上げる大きな瞳。




「生徒会の後ね。」


「もう!!!!意地悪!!!!それじゃあ僕も手伝うもん。」




両足をバタバタさせていじけるりー君は、控えめに言っても可愛くて不覚にも胸がキュンとした。

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