第24話
夢月が気になっていた事?
何だろう…。
も、もしや私のスリーサイズ?
それとも私の体重?
一体何!?!?今抱き締めた瞬間、「あ、こいつ少し太ってやがるな。」って思ったとか!?!?
聖架のお菓子食べ過ぎて少し体重増えたのバレたとか?
思い当たる節が多すぎて緊張と焦りが止まらない。(どれもしょうもない)
「あのね、今年もあの人来るの?」
「え?」
「ほら、毎年この季節になったら来るでしょう?」
遠慮がちに放たれた質問に、私の首が傾く。
この季節になったら来る人?
一度頭の中で復唱した後、すぐにある人物の顔が浮かんできた。
「あ、うん。だから今から家に帰らなくちゃいけないの。」
「ああ、やっぱり来るんだね。」
毎年恒例だもんね。そう言って己の髪を掻き乱す夢月の表情がよく見えない。
だけど心なしか、急に声が元気をなくしたように感じる。
「鬼帝君や虎雅のせいで今まで以上に真白との時間が減ってしまうのに、あの人も来るとなると益々なくなってしまうね。」
「ふふふっ。」
「しかも真白ったら、嬉しそうにしてるじゃない。」
「うん、だって可愛いんだもん。毎年夏にしか会えないから楽しみなの。」
「はぁ…あの人を可愛いと思えるのは真白だけだよきっと。」
遠くを見つめ、溜め息を吐いている彼はこれから私の家に訪れる来客者の顏でも浮かべているのだろうか。
「ねぇ真白、俺にも構ってね。」
「え?」
「そうじゃなきゃ、寂しいな。」
シュンとして若干涙を目に溜めている彼。
確信犯だとしても、私はまんまと罠に嵌らせて頂きます。
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