第21話
起こさないように剣の腕の中からスルリと抜け出した途端、目に入った光景に吃驚する。
何という事でしょう…私の前に広がる絶景。
夢月、飛鳥、凱の寝顔が揃っているではありませんか。
うっわ、顔面偏差値高過ぎじゃないのこれ。どんなご褒美これ。ありがとう神様生きてて良かった!!!
スロットで777当てる時よりも興奮するよ…当てた事ないけど。
この美しい景色に全力感謝した私は、初詣よりも念入りに拝んだ後、息を殺して寝室を出た。
そしたら今度は道梨と宵の寝顔を発掘した。
ルーブル美術館より美術品が揃ってやがるなこの家。
ただ残念でした、ここの美術品のほとんどが口を開いた瞬間、美しさを秒殺する個性を爆発させて見る人を幻滅させるんですよね。全くもっていとわろし。
「…まだ時間あるね、よし。」
美術鑑賞もそこそこに、私は一度寝室に戻ってクローゼットからやけにフリルが付いているエプロンを手にした。
勿論、デザイナー宵氏がお作りになられた物だ。
それをちゃちゃっと身に着けて、全然起きる気配を見せない剣の寝顔をもう一度覗く。
…綺麗な顏だ。
きっと、誰が見てもそう言うと思う。
少し周囲を警戒した後、ドキドキする胸を手で押さえながら相手の頬にキスを落とす。
「だ、誰にも見られてないよね?大丈夫だよね?」
熱くなる頬を手で覆いながら、私は忍びの如くキッチンへと移動した。
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