第17話

冷えていた私の手首が、突然熱い温度に捕らわれた。



その手を辿るように視線を上昇させれば、唇の片端だけを器用に吊り上げた剣の綺麗な顏が私の視界を独占する。





「夏休みだけじゃねぇ。」


「え?」


「これからは、どの季節も全部一緒に楽しむに決まってんだよ。」






自信に満ち溢れた言葉が、私の胸を締め付ける。



嗚呼、どうしていつもこの男は、私が欲しい言葉をくれるのだろうか。





初めて出逢った時からずっと、いつだって剣は平然と私の心を揺さぶってくる。




惚れたら負けって、その通りだと思う。



恋は盲目って、マジそれな。






「まぁ、とりあえずその為には夏休みの補習5教科耐えるしかねぇな!」


「お前って奴は心底馬鹿だな!!!!」







どんだけ赤点叩き出したのよ。




野比のび太もびっくりだよ。

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