第18話

「うしっ、夏休みのセックス…遊びを楽しむ為にとりあえずもう寝るぞ真白。」


「今聞き捨てならない言葉が聞こえた気がしたんだけど?」


「気のせいだ。俺はただ真白と夏休みにセックスもしたいってだけだ。」


「全然気のせいじゃねぇなおい…って…ちょっ…きゃっ……。」






強引に身体を引き寄せられたかと思えば、ヒョイと軽々私を抱き上げてしまった剣が優しく目を細める。





「生徒会の激務で疲れてんだろ。まずは休め。」


「………ありがとう。」





この男が与えてくれる不器用な優しさが、擽ったくて、心地良い。






「お前等は他の部屋のベッドで寝るなりソファで寝るなり適当に泊まれよ!俺と真白はもう寝るからな!!!」





リビングにいる全員に言葉を放ったこの男によって、豪快に寝室の扉が開け放たれる。




電気が灯っていない薄暗い寝室のキングベッドの上。




そこには何故か、人影があった。







「つ、剣君待っててや。僕もう少しで心の準備ができるから……っっ。」


「「………。」」






シーツから裸体を覗かせて頬を赤らめているその男…千住 凱せんじゅ がいが、腕を交差させて胸元を恥ずかしそうに隠している。






何で男のお前が乳首を隠して恥じらう必要があるんだよ。



ていうかいつからいたんだそこに。何で半裸なんだ。





お巡りさん、ド変態がここにいるんですけど。





ちらりと剣の顔を確認すると、静かに白目を向いて蒼白していた。




あれ、死んでる????

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