第7話
いつも俺様でどうしようもないのに、泣くくらい私の事を好きでいてくれてるんだと思うと胸が高鳴って、どうしようもなく愛おしく感じる。
もう病気だ。
この男にこんな感情を抱く日が来るなんて、私は悪魔に魂でも食われたんか?
「俺とそいつどっちが大事かだなんて一番怠くて嫌われる質問だよ鬼帝君。この調子だといつ真白に愛想尽かされるか楽しみだね。」
「てめぇ、爽やかな笑顔で毒吐いてんじゃねぇぞ。マジで腹ん中真っ黒だな。ていうかここ俺のマンションだぞどうやって入ってきやがった!!!!!」
違和感がないくらいに空間に馴染んで、ソファで長い脚を組んで微笑んでいる人物。
紹介します、こちら
そんな夢月を睨みつけて今にも噛み付きそうな剣。
おい、王子に無礼を働くな。
「どうやってって、君の所の幹部の門倉君が丁寧に案内してくれたんだよ。」
「ああ?」
「あ、うん、だってBL本沢山買ってあげるって言うから。」
いや思い切り物で釣られてるじゃねぇか。
お前よく今まで何の犯罪にも巻き込まれずに生きて来られたな、絶対お菓子あげるって言われて知らない人間に着いていくタイプだろ。
「仕方ないじゃない、外を眺めてたら可愛い真白が一人で家を出る所を見かけてね。」
「見張ってたんだろ。」
「夜道は危ないから何かあったらと心配で後を追いかけたんだ。」
「シンプルなストーカーだろ。」
「そしたらなんとびっくり鬼帝君のマンションに到着したからこれはもう邪魔するしかないと思い立ってね。」
「最後だけ本音漏らしてんじゃねぇよ死ね。」
飛鳥が淹れた紅茶を優雅に飲んでいる夢月は、「真白が無事で安心したよ。」と妖艶な笑みを湛えている。
「はぁ…困った、こんな美形に夜道を心配されるなんて…。」
「全然困った顔してねぇんだよ、めちゃくちゃニヤけてんじゃねぇかお前。」
当たり前じゃん、もう笑いが溢れ出て仕方ないよ。
だって、美形が私を心配してくれているんだよ?私の為だけについてきてくれたんだよ?
そんなの……。
「困った困った、最高に気分が良い。」
「お前等が幼馴染同士な理由がたった今分かったわ、性格の悪さがそっくりだ。」
お前にだけは言われたくないよ。
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