第6話
「んだよやべぇなこのマンション、朝顔じゃねぇか。」
「それ言うなら昼顔でしょ。」
「……大して変わらねぇだろ。」
「大きく違うんだけど。」
言い間違いを指摘されて顔を真っ赤にした肉欲獣は、羞恥心に苛まれているらしい。
良かった、間違えて恥ずかしいという感情はあるんだ。
ボスザルかよこいつと思う瞬間しかないけど、あんたも人間なんだね成長したね。
「ここまで不倫が日常的に行われているなら問題ないね、俺達も鬼帝君に隠れて愛を育もうよ。」
肉欲獣に意識を奪われている私の耳元で囁かれた甘い声に、鼓動がドキリと跳ねた。
顎を掴まれて、強引に視界が切り替わる。
「それから二人で駆け落ちでもしようか。」
突如現れた艶やかな笑みと色気に流されて、あっさり頷いてしまいそうになる自分を心の中でぶっ飛ばす。
「ね、真白?」
「はい喜んで。」
あ、いけない。つい頷いてしまった。
でも仕方ないよねこんな美形に誘われて首を縦に振らない女がいるかよ、最早これは本能だ。
「いや快諾してんじゃねぇ!!!ふざけんなよ真白浮気なんて許さねぇぞ。俺とそいつどっちが大事なんだよ。」
「………。」
「悩むなよ!剣って即答しろ!!!!」
「命令すんな。」
目に涙を浮かべて私を抱き締める剣を可愛いと思っている私は、本当に頭が可笑しい。
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