第6話

休日。部活も無くて家でダラダラテレビを見ていれば、チャイムが鳴った。


お昼ご飯を作っていて手を離せなかったお母さんに呼ばれて、仕方ないなあなんて言ってドアを開けた。



「こんにちは、瑠華ちゃん」


「お母さんに用事?今ご飯作ってて。ちょっと待ってね」


「あ、いや瑠華ちゃんに用があって。これ、お土産」


「お土産?」



袋に入った何か箱のような物を渡されて、首を傾げる。



「うん。その、この前水族館にデートに行ってさ。その時のクッキーの試食が美味しかったから、瑠華ちゃんに是非どうかなって思って」


「ッ、そっか、あ、ありがと」



紫暮くんから、直接言われてしまった。

デート、なんて単語聞きたくなかったのに。


そんなに嬉しそうな顔をしないでよ。

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