第3話

紫暮くんとは学校が同じだから、たまに一緒に行ったり一緒に帰ったりする。


でも三年生の彼とは時間が違ったりするし、お互いのタイミングとかもあるから話すのはなんだか久しぶりだ。


小声で他愛無い話をしながら、電車に揺られる。



紫暮くんの優しい喋り方とか、ちょっとふわふわとした性格だとか。彼のそういうところが、私は好きだ。


ずっとずっと昔から、彼は私のお兄ちゃんみたいな人で。優しくて素敵な初恋の人。



でも、紫暮くんにはまるで妹のように思われているのを知っている。



そう、意識されてないのは分かってるけど、いつか私に振り向いてくれないかなって夢見てる。


でも、幼馴染み以上の関係に踏み出すのは怖くて、結局私はいつもの『幼馴染み』の距離感で笑う。

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