第94話

休み明け。



私は朝から教室の自分の机に突っ伏せていた。




気分は最悪だった。


それもそうだ、好きな相手に嫌われていた事が発覚したんだから。



死亡フラグどころじゃない、完全死亡。


生きる屍だ。




「やばい…また泣きそうだ…ちくしょう…。」




まだ誰も来ていない教室。


流石に昨日の今日で夢月と登校できるほど神経は図太くないから、いつもより一時間も早く家を出た。



昨日のあの後、どんな風に部屋に戻ったのかは正直よく思い出せない。


ちゃんと笑えていたかな。誤魔化せていたかな。


私に見せてくれる夢月の笑顔がもう無理矢理貼り付けてくれているようにしか見えなくていたたまれなかった。



夢月が帰ってからはもう号泣。


声が枯れるまで泣いた。




「はぁ……。」



初恋は実らないと聞くけれど、こんな残酷な散り方あるかよ。


もう真っ暗だ。どうやってこの先生きて行けばいいのよ。



全てを夢月の為に費やしてきたけれど、もれなく無駄だったらしい。


そんな現実が酷く虚しい。



もっと早くに気づけていれば何か変わったのだろうか。


こんなに好きになる前に、気づけていれば…痛みも少なくて済んだのだろうか。




「…ううっ…ヒック…好き…だよぉ。」




私の頬は、涙で濡れていた。

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