第67話

あれ男?


超絶可愛い。腹立つくらい可愛い。




「…やっぱり道梨って夢月の女?」


「殺されたいの?紫陽花の彼女は宮園鈴だって言ってるでしょ。」


「認めない!!!絶対そんなの私は認めない!!!」


「姑かよ。」




何処からどう見ても美少女な道梨は、ひらりはらりとワンピースを靡かせている。




「もう少しウエスト締めても良さそうね。剣、どう思う?」


「俺はもっと袖も裾も短くて良い。何なら裸が良い。」




マジで人として最低なんですけど。


こんなに可愛い人間を前にしても「裸に勝るお洒落なし」とか馬鹿な事を言っている肉欲獣にドン引きだ。




「マカロン、そんなに俺を見つめんじゃねぇ。」


「軽蔑してるんだよ。」


「…これだからツンデレは困るな。」


「それにしても道梨、本当に可愛いよ、絶対男だと思わない。」


「無視すんな!!!」




あんなのと付き合ってたらやってられない。


私は人間だけどあいつは比較的猿に近い生物だ。一生分かり合える事なんてない。




「え、本当?僕だってバレない?」


「うん、絶対分からない。」


「……次生徒会に侵入してBL観察する時は、これに変装しようかな。」




それは色んな意味で危ないからやめとけ。


ていうかあの時、BL観察する為に生徒会室にいたのかよ。




「それじゃあ記念に、写真撮りましょうよ。」



女子力高すぎて脱帽。


宵がインカメをこちらに向けた瞬間、微笑む道梨と表情を作る肉欲獣。



写真慣れしすぎか。




「きゃー可愛い!!!」


「まぁな、俺にかかれば可愛い表情なんてお手の物だ。」


「私の作ったワンピース可愛い!!!」


「自分の力作の事かよ。」




当たり前でしょ。



お前が可愛いなんて天と地がひっくり返ってもあり得ない話だ。もっと自分をよく見ろ。




「駄目だ、全然俺が盛れてねぇ。宵、撮り直せ。」





そしてとてつもなく器小さいよこいつ。

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