第18話
県随一の進学校だというのに、毎日のように勃発する問題。
それもこれも、隣接している県随一の不良校、開花高校に社会の塵が溜まりに溜まっているからだ。
「虎…雅……。鬼…帝……。」
それだけじゃない。その開花高校に今年入学してきたのがこの県の西を支配している暴走族、虎雅。
しかもご丁寧な事に、総長から幹部、更には下っ端まで勢揃い。
仲間大好きかよ、散れよ公害共が。
その総長、鬼帝…えーっと…ちょっと下の名前興味なさすぎて忘れたけど、とにかく鬼帝という奴がもう本当に低能で。
毎日の如くうちの高校に侵入しては問題を起こしているわけで。
私から夢月を奪っているのもその鬼帝という阿保が原因なわけだ。
あんな美形な王子様を毎日のように独り占めしやがって、さぞかし優越感に浸っているでしょうよ、クソクソクソ。
「ふざ…けんな……。」
「この問題は僕たちで処理しておくから、真白も疲れているでしょう、帰って休んで。」
今は鈴の言葉に愛想振りまける余裕なんてない。
余りにも絶望と怒りが大きいからだ。
もう我慢ならない。これ以上夢月を独り占めなんてさせるものか。
今日は何が何でも一緒に帰る。絶対帰る。
「真白?」
本当にもう頭にきた。
暴走族だと?たかが高校生のガキに過ぎない癖に何を塵同士集まって組織を築いてやがるんだ。
ちゃっかり西を制覇してやがるんだ。
許さねぇ。王子様は私の物だ!!!!
虎雅も鬼帝もぶっ殺す!!!!!
「私も夢月が心配だから行ってくる。」
「え?待って、駄目だよ真白。真白!!!!!」
「「真白戻って!!!!」」
鞄を置いて、止める声を背中に私は生徒会室を飛び出した。
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