第15話

今ので全ての疲労が吹っ飛んだ。



ボーナスステージかこれは。


口の端にクリーム残していた私グッジョブ。てか、口の端に付いてくれたクリームグッジョブ。


そして指を舐める夢月がエッロい。



ソファにあるクッションを抱えて悶絶したくなる気持ちを落ち着かせ、王子様に目を向ける。




「は、恥ずかしいよ…。言ってくれれば自分で取るのに。」


「そうだった?ごめんね、真白の事になるとつい世話を焼きたくなってしまうんだ。」




おいおいおい、吐血しそうだよ無理格好良い。


本当に死ぬ程格好良い!!!!




「う、ううん。謝らないで。」


「やっぱり真白は大切な“幼馴染”だし“妹みたい”だからつい癖で。次からは気を付けるね。」




グサグサグサ




喜びも束の間、続けざまに言われた言葉に撃沈する。


え、心に容赦なくナイフ突き刺されたんですけど。




そうだよね、私なんて夢月からすれば幼馴染で妹みたいな感覚だよね。



でもごめんなさい、私は幼馴染ともお兄ちゃんとも思ってないよ。


一人の男としてしか見てないし、普通に抱かれたいと思ってるよ。




ちくしょう、まだまだ道のりは険しいな。




「お疲れ夢月。会議、僕も参加した方が良かった?」


「いや、余り進展もなかったし、ずっと鈴も対応に追われて大変だったでしょう、たまには休みなよ。」




大量に抱えていた資料をテーブルに置き、腰掛けた夢月はそれだけでも画になっていた。

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