第90話
何処に行くのかと聞けば、保健室だそうだ。
溜まり場で手当しても良かったけど、保健室の方が近いから保健室にするそうで。
保健室に着いて椅子に座らせれ、棚から消毒液を取り出した篠宮は「染みますよ」と言って綿をひたひたと頬に当ててくる。
「ったぁ…!冷たい…っ」
思わずギュッと目を瞑って、ひりひりとした痛みに耐える。
「詳しく聞いていいですか?というか聞きますね。
…何故、隣校舎へ?」
「あー、えっと…」
美織の泣き顔を思い出して吃って、でも、原因にどうにかしてもらわねばなるまいと考えて、篠宮に話す事にした。
「…はぁ、まぁ私もそろそろ話したかったし。
そろそろ限界だしなぁ…
美織には止められてるんだけど…────」
それから、私はイジメられてる事を話した。
恐らくあの人たちが主犯だろうと。
美織が「迷惑を掛けたくない」と心配してたから黙ってたと。
美織が昔ちょっとイジメられてて、それが原因で、嫌われないためには自分が辛くても耐えるのを惜しまない子であると、少し感覚がズレてしまってる子なのだと話した。
いやまぁイジメの件はその頃の美織の話をあまり聞かないから実質どこまでか分からないけど、母さん…あのババアにはとても酷い事をされてて、かなり自分への自信が無いのを私は知ってる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます