第89話

「し、篠宮…さん…!?」


「何でここに!?」


ざわり、女子達が焦り始める。



「…何震えてんの?何焦ってんの?

愛しの篠宮サマが眼の前にいるじゃない」



震えてるパンダ達を見て、わざとらしく首を傾げる。


…ま、震えてる理由は分かってるけどねぇ?

だって、篠宮ったら笑ってる癖に殺気出てるからね。そりゃギャップにやられるわ。普通に怖いわー。




「…あなた方、確か朱(あか)の方々ですね?主犯は?」


「は、はい、あの、ぁあのっ」


「…わ、私が…っ、すみません…っ!」



震えて言葉も出ない女子3人と、話せる女子2人。

何そんなに震えてんの…自業自得なのにねぇ?



それから、篠宮は女子達の名前を聞いてから何故か私の手を引いて歩き出す。



「巴衛さんと美織さん…彼女達には手を出すなと同盟には言ってありますよね?


総長にはそれなりの処置を取らせます。

これは、貴女方の責任だけでは済まないのです。



…分かってますね?」


「「「ひっ…は、はい…っ

す、みま、せ…でした…!!」」」




彼女たちの嗚咽と謝罪を背中に、

私は篠宮に手を引かれて歩き出した。

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