第85話

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恐らく、姫になった私等が気に食わなくて“イジメ”をしてるのだろう。


女子会放課後デートから数日経ったけど、最近美織や私の私物が無くなる事が多くなった。


その辺りで誤魔化せなくなって、美織に今私達がどんなことをされているかを話した。すると、負けてらんないね!と無理して笑った美織。



……今更イジメなんてされても私は何とも思わない。


でも、美織はそうじゃない。私よりうんと傷付きやすくて、何よりも繊細な心の持ち主だから。そして何より、昔酷いイジメを受けていたのだ。


トラウマになってしまっているだろう、美織の心が心配だ。まあ、私が絶対守るから大丈夫だけど。


でも、そんな事を思いつつも。

“絶対”なんて存在しないことを知っているから。



早いとこ、榊や篠宮達に伝えたいんだけど…。




「はぁ、でも、物が無くなるのはめんどくさいこと極まりない…。タダじゃ無いんだってのに…」


油断したらスグ物消えてるから、溜息が出るのは仕方ないと思う。




…今日は美織が穂花と先に帰ってて良かった。


今日の放課後、隣校舎の2階、使ってない教室。

そこで待ってるとの果たし状(手紙)が届いてたのだ。



「…うーん。話したい、けど、いやでも…!」



まだ榊達には言ってないんだよね。


言った方がイジメも減る(もしくは無くなる)と思ったんだけど、美織が「それより嫌われたくない」とか「めんどくさいと思われたくない」って、嫌われる事を心配して泣き出しちゃってから、…中々言い出せなくて。



今のとこ、私らは耐えてる。



穂花や桃は心配してくれるし、クラスの何人かは相談に乗ってくれて、私等の味方だから安心なんだけど…流石にイライラが溜まるよねって言う。


悲しいとか悔しいなんて生ぬるい気持ちなんて持ち合わせて無いよ?とりあえず無駄にした教科書やノートや上履き代その他諸々を請求して、プラスビンタをプレゼントしてやりたい。

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