第84話

「あ、美織。課題してきたー?ほら、この数学の…」


ペラ、と穂花が数学のプリントを見せると、美織は顔を青ざめて小声でヤバイヤバイとブツブツと…呟いてる。地味に怖い。


「ああっ、そこっ!結局榊くんに教えてもらうの途中だったところだ…!

これから数学だったっけ…?……死ぬ」


ああ、そういえば。


「昨日苦戦してた所?

…帰って私が教えてあげても途中で寝るし。自業自得よ」


「うぅ、そんなぁーー!」


「あっはは!美織ドンマーイ!!

ってゆーか!美織も巴衛も、あの蒼虎の人達に勉強教えてもらうとか凄すぎか!?」


からからと楽しげに笑う穂花の笑い声が耳に心地いい。



「もう、美織。これ写しなさい」


「うえぇん!ありがとーー!!」


「やっぱ見せてあげるんだねー、あ、ついでに私も…見せて!」


「良いよ。…ああ、でも最近多いよね、見せるの!

…てことで帰りになんか奢ってよ?」


「「了解した!」」



巴衛と美織と放課後デート!

巴衛とほのちゃんと放課後デート!頑張る!


なんて言いつつ目を輝かせた2人に、思わず頬を緩ませて笑うってしまった。




…まぁ、この後授業中に当てられて答えがわからなくてテンパる美織の姿が見られるわけなのだけど、自業自得よ…。もう。


まぁ、そんな所も美織らしくて可愛いいんだけどね!

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