第75話

「さて、では。挨拶が終わったところで本題です。座って話しましょうか」


篠宮の言葉に、それぞれが座る。

私は迷った末に篠宮の近くに座ることにした。



「早速本題ですが、今回このお2人を姫に迎え入れる事にしました」


わー、直球!!




「「はぁ!?/…え」」


「マジ?女の子だ、やったー!え、てか姫ってことはどっちかどっちかのカノジョ!?やるじゃん!」


「嫌だけど!!?姫なんて…!」


「僕も、いや」




瑞木と佐伯の不満そうな言葉に、榊が返す。


「…お前らの事は分かってるつもりだ。…でも、コイツを姫にしたいと言ったのは俺だ」


美織の肩を抱き、自身の方へ引き寄せる。

キョトンとした美織が榊を見上げる。


「えっ、志都が?どんな風の吹き回しだ?」


「…なんで、急に」



「美織を俺のもんにしてぇからだ。」


美織に微かに微笑んでから、そう告げた榊。

美織は微笑んでくれたのが嬉しいのか、ぱあっと表情を綻ばせる。



「…ふぅん、ついに志都にも春が来たわけだ」


「??

志都、どーいう意味?」



佐伯は察した様子。

瑞木の方は…全くわかってないみたいだけど。

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