第57話

澪side



「まさか、志都と美織さんに関わりがあったとは知りませんでしたね」


これは素直な感想ですよ。…まぁ、最近よく図書室に行く理由は今分かりましたけど。



「…お前らには言ってなかったからな。

それに、会った事あるのは今日合わせてまだ数回目だ。数えるには両手で事足りる」


片手、ではないんですか。

それは、いろんな意味で……


「それは驚きです」


「だろうな。








…でも、今、此奴は俺の腕の中にある。

絶対逃さねぇ」





ふ、と笑い美織さんを抱きしめる志都は、何処か狂気的で。


嗚呼、美織さんが壊れないか心配だ





それより明日、巴衛さんに怒られそうです。

巴衛さん、僕らが蒼虎と知っていてあの口調。

中々肝の座った女性なのでしょうね。


苦笑いして志都を見てる僕とは裏腹に、明日が楽しみな僕がいて驚く。




――巴衛さんも美織さんも、何だか1度きりの付き合いでは終わりなさそうです。面白くなってきましたね。

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