第56話
「…へぇ、俺にそんな言葉言えるヤツ居たんだな」
「なに?俺様発言はいいから聞かせなさいよ
…貴方の考えを」
「…コイツが気に入った。
姫にしたい。…姫にするからには守る」
「本当に?守れる?貴方が?
親しくもない人間を?」
少しの沈黙の後、
「……何も話すのは今日が初めてじゃない。
お前等と初めて会ったとき以外にも何度かコイツとは会ってる」
「…ん?」
マジで??
「何度か学校で会ったことがある。
それに。城山 巴衛と城山 美織、お前らは白鷹高校で有名だしな」
「…あー、アンタらも白鷹の生徒だものね。
お互い情報が回ってるから知ってて不思議は無いけど、どうして美織?」
少しの沈黙の後、
「…俺のことを1人の人として見てくれるからだ。
……何度か話したことがある。
図書室で会った、授業サボってた時だ。
俺の事は知ってるみたいなのに、まるで普通に〝同級生〟に話すみたいに、対等に…普通に話しかけてきてな。
そりゃ吃驚したが、不思議と嬉しかったんだよ。
その時から、気になってた」
「へぇ?まさか蒼虎の総長がそんな事考えてたなんて驚きだけど、それならまあ大丈夫かな。
…とりあえず明日、学校で詳しく聞かせてくれる?美織は一度寝ると朝まで起きないから気をつけて。…迎えに行きたいけど今予定があって動けないの。ごめんなさいね?
そうそう。
…美織のこと襲ったらお前の子孫残せねぇよーにしてやるからな、覚悟してろ」
「…わかった」
この時、私の声の低さに思わず榊がどもっただなんて私は知らないのである。
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