第54話

「初めまして、僕は篠宮 澪です」


「蒼虎?何で美織のケータイからお前の声聞えるわけ」


思ったより口が悪い様で。

…それより、僕らのことは知ってますね


「ああ、先程…

とある男達に美織さんが襲われかけまして。

今は助けて倉庫に向かってるんです」



「は!?!?」


まぁ、驚くのも無理ありませんね。

美織さんが襲われたと言われた上に、蒼虎の倉庫…と言うか基本的に倉庫に出入りするのは関係者だけ。そんな所に、イキナリ美織さんが連れてかれてると知ったわけですから。



「おま、ふざけんなよ!!

ってか、襲われかけましてって…!


今はそれはいいや!!後で美織怒るから!


倉庫に連れてくって言ったヤツ殴らせろ!!

そんな事したらお前らの彼女だの、無いこと変なこと言われて、美織が女達に苛められたりしたらどーすんだ!!」


キイーンッ

おや、うるさいですね。




「…あ?」


志都が目を覚ましました。…まぁ、完全に寝ていたわけではなさそうですが。


「まぁ、落ち着いてください。詳しく話すので」


「…はぁ、で?どーしてそーなったわけ」


「どうやら、うちの総長が、美織さんの事を気に入りまして。姫に…ああ、彼女にすると言ってるんですよ」




「姫、だぁ?ふざけんな。それ、美織が認めたわけ?」


おやおや、ドスの効いた低い声。

にしても痛いところをついてきますね。



「…まだ、美織さん自身が姫になる事を認めたわけではありません。」




「…おい、変われ」


「分かりました。

…スミマセン巴衛さん、志都の方に変わります」



僕のケータイを志都に渡す。

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