第2章:救いの手
第18話
巴衛side
「……、どういう意味、ですか?」
「…そうだよ」
困惑した私と美織の声。
「まぁその反応が最も。…それより、ミオリちゃん。アンタ怪我ひどいな…
家おいで。手入れして上げるから」
「い、嫌だ!!貴女、お母さん達の知り合いなんじゃ…っ!!」
だからそう言って連れ戻そうとするんでしょ、そう言いたげな美織の言葉は彼女に遮られる。
「それは無いと貴女に誓うわ。
…あたし、アイツら大嫌いだから。」
それは、何故かひどく憎悪の篭った呟きで。
美織が震えて私の手を掴んできた。
「…っと、ごめんごめん。
ま、来るかどうかは自由だよ。…今の生活で満足してるなら、来なくてもいいさ。」
そう言って、暁さんは背を向けて歩き出す。困惑しながらも、何かを考えて…決意した様子の美織を横目に、私はその手を引いた。
「…行こう。美織」
「…うん」
繋いだ美織の手はなんだか暖かくて。場違いかもしれないけど、緊張していた心が安らいた。
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