第12話

特に代わり映えのしない日々を繰り返してれば、あっという間に中等部卒業。


私達は高校生になった。


と言っても私は白百合学園の高等部に上がるだけなんだけどね。ちなみに、美織は公立の高校に受かったからそこに通ってるみたい。


相変わらずあの人達…お母さん達の「美織と話すと馬鹿が感染る」思考は健全で、美織とは全然話せない。


いい加減この両親のいる家を出たいし、自由になりたい。勉強三昧の日々もつまらないし自分の時間欲しい。それに美織と普通に話したい。




そして、そんな事を思っていたある日。



「っ美織!!?…っアンタ何してんの!?」


「…巴衛?あら。おかえり。…なに、って…『教育』かしら?」



にこりと笑ったお母さん。

ひどく歪んで見えて、見てられなくて。


初めて親に逆らった。



「貴女がそんな事してるなんて思わなかった!!行くよ、美織!!!」


「えっ、ぁ…」


「待ちなさい、巴衛っ!」


「っ待たない!」

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