第6話
「ちょ、それはやりすぎなんじゃ…」
「だ、だって美織ちゃん、また笑ってるから…!」
「ご、ごめんなさ、ごめ、ごめんね」
そろり、ただならぬ空気になってきた気配を感じて心配になってドアを開けて覗く。
そして私は息を呑む。
“美織が、震えて泣いてる”
恐怖で震えて、それでも奥歯を噛み締めて耐えて。耐えて耐えて、やり過ごそうとするその姿。
きっと今までもあったと思えるその態度。
それが視界に入った私は、ほぼ無意識に動いてた。
ガラッ!と大きな音立ててドアを開ける。
「美織っ!!」
久しぶりに腹の底から声を出した。
そして、―――久しぶりにあの子の名前を呼んだ
「美織、大丈夫!?」
美織の傍に駆け寄る。
すると、女の子たちも美織もびっくりした顔をして私を見る。
ても、私はそれに怯まずに叫んでやった。
「美織をいじめないで」
「なっ、何であんたにそんなこと言われないといけないの!」
「そうよ!美織ちゃんの双子のくせに、いっつも知らん顔してるじゃん…!…関係ないのはそっちでしょ!」
「関係無くないよ!!
…それより、先生呼ぶよ!?」
流石にそれにびびった女の子達は、気まずそうに逃げて行った。
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