第4話

その頃からあの子とはあまり話していない。


食事時は一緒だけど、その時も話したら駄目だった。話しかけられても無視するしかなかった。


目が合っても罪悪感からスグに逸らした。


そんなことを何度かしていると、美織は家政婦のおばさんに連れられて部屋に戻って行く。


私はいつも、美織が泣きそうな目でこちらを見てるのに知らぬふりをする。…凄く、心が苦しかった。




私は、あの子とはずっと仲良くしていたかった。



お母さんもお父さんも、勉強の事でしか褒めてくれないから。

家政婦のおばさん達は笑ってるのに笑って見えなくて気味が悪いから。


『巴衛!』


まるで向日葵の花がほころぶみたいに。

無邪気に私の名前を呼んでくれる美織と、前みたいに何気ない事で笑い合いたかった。お話したかった。





「わたしも、美織と。

おそとでおもいきり、あそびたいのに…っ」



そうやって、勉強の合間に部屋の窓から外を眺める。


それが私の日課だった

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