第1章:わたしたち

第3話

巴衛side




城山巴衛(しろやまともえ)。

それが私の名前。


昔から周りの子達と比べると大人びていて、頭の良かった私。そのせいで周りの子達と温度差があり、友達はあまり居なかった。


でもそんな私には、この世に命を落とした瞬間からの片割れがいる。


城山美織(しろやまみおり)。


双子の妹の名前だ。



私達は仲が良くて、いつも一緒にいた。

幼い頃はまだいつでも話せたし、遊べた。




でも、幼稚園に入った頃から。

お母さんとお父さんはよく「あの子とは話したら駄目だからね」とか「あの子と遊ぶよりもお勉強しなさい」とか、口を揃えて言うようになった。


何で美織とは遊んじゃ駄目なの?と不思議に思い、聞いてみたことがある。


すると、お母さん達は


「あの子は馬鹿だから」

「難しい事は考えなくて良いからね」


って微笑みながらはぐらかした。




…色々な事を知った今ならわかる。


あの人たちは、「城山家に相応しくないから」そんな理由であの子を除け者にしていたのだと。

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