魔法使いミルのポンコツ放浪記

女神なウサギ

第1話 地図が読めない

 「う〜ん困ったなあ」

私こと魔法使いのミルは地図を眺めながら首を傾げていた。この世界ではクエストをこなすことで報酬を得ることができる。私も報酬を得ようとクエストに向かったーのは良いが、地図記号がまるで読めないのだ。これではどちらの方角に進めば良いか分からない

「まっ、こっちで良いか」

気分に任せて進むことにした

 目的地はとある町の町長の家。モンスター退治の依頼だ。運良く町にたどり着いた私は景色を眺めながら町長の家を目指し、インターホンを押した

「はい、どなたですか?」

「魔法使いのミルです。モンスター退治のクエストを受けに来ました」

「ああ、クエストの方ですか。どうぞお入りください」

「お邪魔します。立派なお家ですね」

「何にもないですがね」

「さっそくですが、どんなモンスターなんですか?」

「双頭のドラゴンです。森に棲みついていているのですが、とにかく獰猛どうもうで手に終えません。道も通れないのです」

「なるほど、それはお困りでしょう。私が退治します」

「ありがとうございます」

 その森は町からすぐだった。

私の魔法では到底敵わないので助っ人を呼ぶことにした。手早く魔法陣を書き上げる

「百熱の炎より生まれしドラゴンよ、ここに」

魔法陣から巨大なドラゴンが現れた

「やっほ〜ドコ会いたかったよ」

ドゴはこのドラゴンの名前で私のペットです

「さあ、おとなしくそのふかふかな逆鱗げきりんを触らせるのですー気持ち良い、うっぐ」

ドゴの逆鱗は羽毛で出来ているからふかふかなのだ。触るたびに尻尾で吹き飛ばされるけど

「う〜相変わらず手厳しい。さあ、ドゴ、仕事だよ」

 ドラゴンの住処を目指して歩くとそれはいた。

巨大な象のような皮膚の身体に2つの頭を持ついかにも凶暴そうなドラゴンだった。

「ふっふっふっ。この森で暴れるドラゴンよ、私が来たからには今日が年貢の納め時ーうわっ」

話している最中に双頭のドラゴンが火炎を吐き出し慌ててよける

「ちょっと、まだ決めゼリフの途中でしょうが!

ドゴ、やっちゃいなさい! ハッピーバースデーだ」

ドゴが息を吸い込み相手以上の火炎を放つ。

この世界にはモンスターの等級があり、相手のドラゴンはおそらくBランク程度だが、ドゴは上から2番目のSランク。かなうわけはないのだ。ちなみに1番上はS+(えすぷらす)です。

相手のドラゴンはたまらずにダウンする。これにてクエスト完了なのだが・・・

「まずい」

運悪く周りの木々に炎が引火して山火事状態になってしまった。魔法でも消しきれないのでドゴに乗って慌てて森を後にした

 「いや〜良かったですね。ドラゴンは退治されましたよ」

だが、町長さんは不機嫌極まりない様子

「な〜にがめでたし、めでたしだ。森の半分が消失したではないか。報酬はなしだ」

「そんな〜少しだけでも」

「ー仕方がない、10/1だけくれてやる」

それでも充分な額だった。お金持ちだね

こうして続く私ミルの放浪記。次の目的地に向けてレッツゴー

※不定期更新予定です。

 

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