第98話
霰先輩と次曇先輩が幼馴染…か。
想像しようにも二人の幼少期が全く想像できない。現段階で両者が人格に問題を抱え過ぎているからである。
どちらも顔立ちは極めて麗しいのだから、幼い頃もそれはそれは可愛い容姿をしていたに違いない。そこは容易に想像できる。
まさかその時から既に美脚と美尻に欲情していたのだろうか。
まさかその時から既に人形に欲情していたのだろうか。
この件に関してはこれ以上膨らませるのは止めておこう、どう考えても良いベクトルへ進む気がまるでしない。
「当時俺が愛していた人形の脚を気に入った霰がそれを盗んだ。」
「へ?」
いつの間にか先頭が入れ替わり、自宅への道を歩く私の傍らでカナちゃんの髪の手入れをしていた相手が突然口を割った。
一体何のエピソードだろうか、少なくとも霰先輩も次曇先輩も昔から異常な性癖を有していた事だけははっきりと理解できる。
「その事件が霰と仲良くなったきっかけだ。」
「よくそんな最低な事をされて仲良くなれましたね!?」
驚き桃の木山椒の木。
まさかまさかの親睦が深まる契機となったエピソードらしい。
普通の人間なら到底そんな事件で仲良くなったりなどしないだろう、少なくとも私は絶対にない。
しかしながら次曇先輩は、その時の事を懐かしむ様子で目を優しく細めていた。
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