第99話

私の独断と偏見でしかないが、どちらかというと昴晴先輩と霰先輩が幼馴染だと説明された方が妙な納得感がある。


それは逆もまた然りであり、雷知先輩と次曇先輩が幼馴染だと言われても驚きは大きくない。



当たり前ではあるが、この人達にもちゃんと幼少期があったんだな。そんな事を思ってしまう。


それくらいに性吐会の会員は漏れなく人としてぶっ飛んでいる。各々がそれぞれの方向で狂気的だ。



不可抗力だったとはいえ、そこに自分がきちんと加わってしまっている現実が何よりも辛辣である。この言葉を胸中で叫ぶのは幾度目かは知らないが改めて声を荒げたい。



どうして私はこんなにも運に見放されているのだ!!!





「時雨は?」




あともう少しで父と母が建てた一軒家が現れるかなというところで、次曇先輩の低い声に名前を呼ばれた。


反射的に左へと向いた双眸に映るのは、カナちゃんのワンピースのリボンを結びなおしている相手の姿。




今日のカナちゃんの服、先週のよりも可愛いなぁ。そんな事を何となしに思ってしまっている私は、もしかしなくても大概染まりやすい人間らしい。



このままだと来年の今頃は、狂人四天王の隣に堂々と名を連ねているやもしれない。それだけは何としてでも避けたい所存である。

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