第86話
何が一番怖いかって、昴晴先輩の仕入れた情報が正確だという事だ。
絶対にフライデー編集部に就職した方が良いと思う。快く推薦状を書き綴って差し上げたい。そして金輪際私と関わらないで貰いたい。
「時雨の地元ってこの辺じゃないの?」
性吐会長のネタが事実だという事は、あの詐欺師との付き合いが私よりも長い霰先輩は百も承知らしく、真実前提で質問を振られた。
さっきの昴晴先輩への返事でどうにか話を逸らせたかと思ったが、完全に計算違いだった。貴方ちゃんと聞いていたんですね。
「はい、電車で一時間半かけて通ってます。」
「え、大変。」
「そんな事ないですよ。」
「違う、そっちじゃない。そんなに離れてるなら時雨の脚を舐めたくなった時に気軽に会いに行けない。」
そっちかい。
その思考は一ヶ月ぽっちの付き合いの私には浮かばなかった、ていうか浮かびたくもなかった。
「何処なの?時雨の地元って。」
「な、何で訊くんですか。」
「土日も時雨の脚に会いたいから。」
純粋無垢な眼球で何て最低な言葉を放つんだこの人。せめて私本体に会いに来てくれても良くないか。
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