第68話

やはりこの男を信用してはならない。


何があってもならない。絶対にそれだけはしてはいけない。



そもそも一体誰のせいで私が省かれたと思っているのだ。




「心配は無用だよ時雨ちゃん、僕達も皆君の同士だからね。」




懸念しか募らない言葉をどうもありがとうございます。



貴方の同士にだけはなりたくなかった。第一私はここにいる人間と違って変態ではないし、猟奇的な性癖を持っている訳でもない。


一緒にされるのは大変遺憾だ。




「学校って生き難いじゃない?だからこうして、いつもお昼は気心知れた性吐会の人間だけで自由に楽しんでいるんだよ。」


「私は気を許したつもりはないです。」


「え~僕に騙された時点で気を許してるも同然じゃない。」


「………。」




くっ…人が消去したいと懇願していた過去をわざわざ掘り返すな。


できる事なら時間を巻き戻したい。そして比較的穏やかな委員会の名前に希望表を書き換えたい。



青い猫型ロボットを強く所望している。




「早く食べよう、ミユちゃんが可哀想。」


「そうだね。」



そうだねじゃないよ、人形に可哀想と思う心があるなら少しは私を憐れんでくれても良くないかしら。


あんたもよく平気で頷けるよな。



次曇先輩の発言に同調の意思を見せる昴晴先輩は、頭の螺旋ねじを軽く見積もっても数十個は母胎に忘れて来たと思われる。

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