第66話
本日は木曜日それすなわち、性吐会の活動がない日である。だからこそ私はうっかり気を抜いていたし、今日は到底片付かないであろう脳内に散らかった悲しい現実を少しは整理するように努めるつもりであった。
というより、整理する時間を純粋に渇望していた。
それなのに、私の視界に映るのは何故か活動日でもないのに性吐会の人間全員が集っている光景である。
「時雨は僕の隣ね、そしてできれば僕の脚を時雨の美脚で挟んで欲しい。」
「丁重にお断りさせて頂きます。」
こんなの、鼻息を荒くして言う事じゃあない。
ここまで美貌が台無しになるのも珍しい。如何なる妄想を馳せているのか、霰先輩は頬を紅潮させながら瞳を輝かせている。
「どうして皆さん集まっているんですか?」
ご丁寧に確保されていた空席に腰を下ろした私は、頬の筋肉が痙攣を起こす感覚に冒されつつおずおずと質問を漏らした。
誰が回答してくれるのか見当もつかないので、とりあえず各々の種類が違う端麗な顔を見回してみる。
しかしながら私の視線が絡まった相手は、昴晴先輩のみであった。
この人とだけは目が合いたくない。そう思えば思う程その人間と目が合ってしまうのが現実である。嗚呼、無念。
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