第48話

おっぱい星人に向けられるはずだったのにどうして霰先輩の矛先が私に向けられているのだ。


心外である。




「時雨ちゃんが美乳の持ち主なだけでなく、美脚まで持っているだなんてね、罪な女め。」



もうあの顔だけ人間の口を引き裂いても良いだろうか。


自分が助かったと確信した昴晴先輩から溢れ出る余裕が腹立たしいったらない。




「やっぱり時雨ちゃんは性吐会に入る運命だったんだよ。うふふっ。」




うふふじゃないよ。笑ってないで私の脚に張り付いている変態を引き取ってくれ。



脚をバタバタさせてもビクともしない霰先輩は、私の内腿をひたすらうっとりと見つめている。


あの角度だと確実に私の下着も見えているであろう。まだ生娘だというのにこんな羞恥心に曝されるだなんてあんまりではないか。




「お願いします離れて下さい霰先輩。」


「やだやだ。時雨の脚と結婚する。」



打ち切りの決まったドラマよりも話が飛躍している。当事者の私がついていけない。




「嗚呼どうしよう、最高にえっちな脚してる。可愛い。」




脚に対して投げるべきでない形容詞に、私はもう何だか泣きたくなった。

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