第46話
次に隣人を見た時には、美男子でなく般若がいた。
「おいどういう事だよ昴晴、僕言ったよな?今日までに宝物を見つけるって誓約書も書いたよな?」
あの、こちらの方はひょっとすると極道の方でしょうか。
ガンガンと容赦なく机を蹴って、美貌に不釣り合いな罵詈雑言を次から次へと投下させる霰先輩。
ちょっと待ってくれ、誓約書まで書かされたのにあんなに余裕綽々と淫行動画鑑賞に耽っていのかあの男。
どれだけ強靱なメンタルなのだ。
「糞昴晴出て来い。僕が十年かけて収集した美脚切り抜き全集を返せ。」
あっという間に人権を剥奪され糞にまで降格した会長の凄い所は、こんなに癇癪を起こしている相手の前に未だ姿を見せようとしない事だ。
身体の二分の一は机の下からはみ出しているのに、断固として顔を出さない昴晴先輩と一緒にいればいる程、最初に抱いていた印象が崩壊の一途を辿る。
普通に自ら暴露したけれど、十年前から美脚の切り抜きを収集していた霰先輩もちゃんと気持ち悪い。
「僕許さないからな昴晴。お前の美乳コレクションに放火してやる。」
とんでもない過激派じゃないかこの人。
堪忍袋の緒が切れたと思われる霰先輩は、自らも机の下に潜り込んだ。
どうやら昴晴の命も今日までらしい。最低な人間ですがせめて天国には行かせてやってください。合掌。
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