第45話
「僕を屍にしたのは昴晴だよ。宝物、ちゃんと見つけたんだよね?探したんだよね?」
探してないですよ。
淫行動画を見て揺れる巨乳に興奮してましたよ。
喉まで暴露の言葉が出掛かったが、こんな連中のこんな事件に巻き込まれるのは嫌だと思い直して慌てて呑み込む。
「………。」
「昴晴、返事は?」
怖い。
ただただ怖い。
無表情で無人の机に眼光を突き刺している霰先輩は、机を通り越してその下にいる昴晴先輩を透視しているみたいに見える。
気のせいだろうか、霰先輩の双眸から光のビームすら出ているように見えて仕方がない。
「……霰の宝物はまだ一人旅に出ているみたいなんだ。」
か細い弱々しい声が、とうとう白状した。
何をこの期に及んで小洒落た擬人法を使っているんだ。一人旅というより貴方が旅に出させたんだろうに。
「ひーーーもう耐えられない無理ぃぃいいいい。」
実に息苦しい沈黙を破ったのは、机をバンバン叩いて大笑いした雷知先輩だった。
空気が読めないのだろうか、それとも霰先輩の表情が見えないのか?
「あん?」
命知らずな雷知先輩に心から引いていると、私の横から酷く柄の悪い声が上がった。
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