第43話
「じゃあ僕も昴晴と一緒に避難訓練する。」
「えっ。」
「えっ。」
挙手して突然の宣言を放った霰先輩に、驚嘆を漏らす私。
そして机の下から焦燥感が滲む驚嘆を上げるおっぱい星人。
「あ、霰は大丈夫だよ。ほら霰はいつも油断も隙もない生き方をしているじゃない。きっと霰ならどんな災難も乗り越えられるよ。」
「言っている意味が分からないよ昴晴。」
はい論破。
口から生まれたのかと疑う程に言葉巧みな詐欺師が、鋭い指摘で沈黙した。
「あらりん、昴晴はいつも意味が分からないじゃーん。」
「確かに。おっぱいおっぱい言ってばかりだよね、女性の胸に欲情するだなんて安易で低俗。女性の魅力はお尻と太腿に凝縮されているんだよ。」
その思想も偏りが酷い。
性癖に関してはどっちもどっちだ。女性代表として声を上げさせて頂くけれど両者共々ただの変態だ。
そんな事よりも、昴晴先輩は常日頃から「おっぱい」と言っているのか。あの美しい顔で。あの貴公子みたいな顔で。あの王子様みたいな顔面で。
思春期にも程があるな、そういう無邪気な性の関心は世の女性の為にも中学二年生で置いて来てくれよ。高校二年生にまで持ち越さないでくれよ。
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